受講した感想や受講生同士の繋がり、卒業後の活動をお聞きする【受講生に聞いてみた!vol.4】は、第2期講座を受講された宮本浩子さん(株式会社カクイチ)にインタビュー。「すっごく小さな泡で、でっかいものを洗う ~ウルトラファインバブルを活用した航空機産業への固定費削減を目指す事業計画書~」というテーマをもとに卒業課題を提出された宮本さんに受講された感想やその後の活動について詳しく伺いました。

Q. お仕事内容についてお教えください。
A. 国内有数の倉庫・ガレージメーカーであるカクイチに勤めています。現在は、アクアソリューション事業部に在籍し、「日本を農業で元気にする!」を目標に、農業改善事業に取り組んでいます。具体的には、水中に気泡が長期間残存するウルトラファインバブルの性質に着目し、農作物へのかん水に使用することで、土壌の中に酸素や空気を送りこみ、土壌中の酸欠状態の緩和や農産物の肥培吸収促進、秀品率向上などに好影響があるとし、産学民との連携で効果を検証し、技術の発展と展開に取り組んでいます。

ウルトラファインバブル(UFB)とは
1㍍の10億分の1の大きさの目に見えない超微細な気泡(ナノバブル)で、水中に長期間残存する性質を持つ。農業外では湖沼・河川の浄化、医療現場や食品工場、畜産現場での器具の洗浄など、工業、健康分野と様々な用途で利用される。カクイチのウルトラファインバブル発生装置は、既存の配管に直接組み込みができるインライン型の対応が可能で、泡の中の気体を用途に応じて変更することができる加圧溶解方式を開発。ノズルは国際特許を取得している。

講義全般について

Q. ソーシャル・イノベーションスクールに通おうと思ったきっかけをお教えください。
A. 入学のきっかけは、募集締切2日前に上司から声をかけてもらい、締切前日に応募しました。以前から米倉先生の学校に行ってみたいなと思っていた矢先に、会社から機会をいただき喜んで参加しました。

Q. 第2期は、コロナによって特にオンライン講義の多い期でしたがいかがでしたか。
A. オンライン講義の良いところは、出張が多いため会場出席ができない日も、移動中に参加できた点です。オンライン講義は、仕事と学業の両立、そして講義をすべて出席するうえで欠かせませんでした

Q. 受講された前と後で変化はありましたか。
A. ガラッと変わりました。SISに参加してから、お付き合いする方の幅も大きく広がりました。あと、SIS卒業生として、ボーッと生きられなくなりました。先生はいつも「今やれ。とにかくやれ!」とすぐ実行することの大切さを教えてくださり、”何かができたらやろう”ではなく、今やる!ことを意識するようになりました。 

Q. SIS受講生の共通点など感じたことはありましたか。
A. 皆、社会のためにできることを真剣に考え、温かく、想いの強い人が集まっていると感じました。また、未来に描くゴールが同じだからこそ、違う業界でも共感できる部分が多いと感じました。きっと、講義で学んだことが浸透しているからこそだと思います。
実は、コロナの関係で、卒業式で初めて同級生の皆さんとお会いしました。しかし、お会いすると何年かぶりの友人に会ったような、親しみや懐かしささえ感じました。やはりリアルには、オンラインでは体感できないこともたくさんあるので、ともに学ぶ同期のみなさんに会えてとても嬉しかったです

Q. 最終課題提出の前に行う、卒業課題中間発表(10分のプレゼンテーション)はいかがでしたか。
A. 米倉先生はじめ大学講師の先生方から、現実に落とし込んだ、時には厳しいコメントをいただけたことはとても刺激になりました。
特に、ケネス·ペクター先生からいただいた「ひと言で印象に残る言葉を出しなさい」というアドバイスをもとに、『すっごく小さな泡で、でっかいものを洗う』というタイトルを見つけることができました。
講師陣からのコメントの一つ一つが、とてもヒントになりました。また、他チームのプレゼンも聞くことで、客観的な視点ももつことができ、徹底的に学ばせていただきました。

Q. 卒業式では、東京校を代表して卒業課題発表されましたがいかがでしたか。
A. 先生に多くのご指摘をいただきましたが、みなさんの前で想いを伝える貴重な機会となりました。卒業式で学んだことは、たくさんの伝えたいことをそのまま言おうとするとうまく伝わらない、という自分の弱さに気がつくことができました。そのおかげで、「絶対スピーチうまくなってみせる!」と思い、卒業後は、スピーチの特訓を受けています。

受講後の社内共有について

Q. 会社を代表してのご参加でしたが、会社へのレポート共有はどのようにされましたか。
A. 会社には講義が終わるごとに、レポートを書かせていただきました。こちらが実際のレポートです。

毎回、学んだ事と講義のポイント、そして、自分の会社に置き換えた場合、会社で活かせるポイントをまとめました。例えば、渋澤先生の講義で学んだ【との力】を社内に置き換えてみたら、自社の強みを明確にすることができました。そのほか、講義内で印象に残った言葉や新しい気づきとなった内容を、上司だけでなく、社内共有サイトでも発信し、全員に読んでもらえるように心がけました。

Q. 社内の方からの反応や感想はいかがでしたか。
A. 社員からは、すごい!と。でも、長文だからせめて3スクロールぐらいまでにしてと言われました。濃密な講義内容を思い出すとついつい熱くなり、長文になってしまうほどでした。社長はじめ社員の皆に発信することで、講義内容を踏まえた自分なりの会社への想いも共有することができました

Q. 最後に、これから受講を考えている方へメッセージをお願いします!
A. 『自分の可能性を信じて、自分を変えたい。』そう思う方には、ぜひ入っていただきたいです。世界が開くと思います。これまでの学校教育と違って、ビジネスの分野で最先端を行かれている講師陣の講義を受けられるところは他にはないです。そして、モデレーターである米倉先生の辛口なコメントがとても刺激的です!聴いていている私たちもボーッとしていられないですし、ゲスト講師の方々にもズバッと聞いてくださる掛け合いが心地いいです。
話の掛け合わせや引き出し方は、この学校にしかないと思います。
時間こそ宝。時間をどう使うか、それこそ人生だと思います。Just do it!  行動あるのみだと思います!

【事務局コメント】
宮本さんといえば、「水」!のイメージを持つほど、会社や事業に対する愛を感じる姿勢が印象的でした。卒業後も、受講生同士の繋がりをきっかけに新しい事業の創造も進行中とのことです。
「社会的課題をイノベーションの力で解決する」それは一見、特定の人にしか踏み出せない領域にもみえます。しかし、原体験を遡ると、「あ!ここに私のミッションがあった!」と思う瞬間がみつかるかもしれません。
例えば、宮本さんの”水”との深い関わりは、幼少期、茨城県霞ヶ浦の近くで育った環境や、留学時に体験したアメリカ北部の大洪水。そして、社会人を経て、世界と日本を繋げる技術が”水”にあると確信したことからでした。
「自分だけで悩んでいないで他の人に聞いてもらう。SISに来れば、小さなところで悩んでないで大海を見なよ!そう思わせてくれると思います。」そう言ってくれた彼女の今後の活躍をSISはこれからも応援しています!